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リウマチ専門外来|西宮市の整形外科・リウマチ科

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リウマチ専門外来って?

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 骨や関節、筋肉など、身体を支え動かす運動器官が全身的な炎症を伴って侵される病気を総称してリウマチ性疾患といい、様々な疾患が対象となります。
このうち、関節に炎症が続いて、関節が徐々に破壊され、やがて機能障害を起こす病気が関節リウマチ(以前は慢性関節リウマチと呼ばれていました)です。
その他、関節の痛みや腫張を来す幅広い疾患、例えば膝関節や股関節の変形性関節症やリウマチ因子が陰性で皮膚科疾患である乾癬症掌蹠膿疱症に伴う関節炎、全身性エリテマトーデス、強皮症など一般に膠原病自己免疫疾患と称される様々な免疫疾患が対象となります。

  近年、関節リウマチ医療では大きな進歩が見られ、治療の選択枝が広がっています。当院でも、関節リウマチの早期診断早期治療の原則の下に、現在関節リウマチ診療ガイドラインに準拠したゴールドスタンダードとされる考え方に基づいて、生物学的製剤を含めた積極的な治療を行っています。また一方では、薬による副作用など医師が患者様に説明すべき事項が増えると同時に、患者様からの情報も医師が正確に受け取る必要があります。

  患者様と医師との間のコミュニケーションが非常に重要で、当院ではリウマチ性疾患に対してリウマチ専門外来を開きました。リウマチ専門外来は、関節リウマチを始めとするリウマチ性疾患に対して、日本リウマチ学会認定専門医、日本リウマチ財団登録医として専門的、集約的な医療を行うためのものです。       

リウマチ専門外来 の詳細については、「治療の流れ」 の項をご参照下さい!

参考書籍)
竹内 勤 監修 「患者のための最新医学 リウマチ
高橋書店 ISBN978-4-471-03101-5

参考)関節リウマチについてもっとよく知りたい方のための、関節リウマチ関連情報ホームページ

リウマチ情報センター 日本リウマチ学会
社団法人 リウマチ友の会 リウマチ財団ニュース
リウマチe-ネット リウマチ21.info
リウマチについて エンブレルR-正しくお使いいただくために-
ヒュミラ情報ネット アクテムラの治療を受けられる患者様へ 
みんなで支えるリウマチのページ シンポニー.jp
大阪大学整形外科 リウマチクリニック 兵庫医科大学 内科 リウマチ・膠原病科
大阪大学 免疫・アレルギー内科  

目次
1) 関節リウマチってどんな病気?
2) 関節リウマチの関節破壊の進行
3) 関節リウマチの関節破壊の進行の実際(手関節)
4) どんな時に関節リウマチが疑われるの?→ 診断するために必要な諸検査
5) 関節リウマチと間違われやすい疾患
6) 関節リウマチの関節破壊の進行治療の目標
7) 関節リウマチの最近の治療 → MTXの増量、生物学的製剤
8) 当院で使用できる生物学的製剤
9) 関節リウマチと骨粗鬆症

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関節リウマチってどんな病気?

関節リウマチってどんな病気?関節リウマチは、全身の様々な関節に強い炎症が起こる病気です。

本来、最近やウイルスなどの異物から私たちの体を守るために備わったシステムが免疫です。何らかの原因でシステムが正しく機能しなくなると、病気を起こす原因になることがあります。

どうして関節に炎症が起こるのか、その原因はまだ十分には解明されていませんが、関節リウマチの発症には、「免疫の異常」が深く関わっていることがわかっています。
関節リウマチは、何らかの原因で免疫の異常が起きて、自分のからだの一部、特に関節異物とみなして攻撃してしまう病気です。(自己免疫疾患と言います。)

従って、関節リウマチを治療するということは、様々な治療法で免疫の異常を改善するということになります。

長い間、関節リウマチの治療は、関節の痛みや腫れを和らげることが中心でした。
しかし、最近は、免疫の異常を改善したり抑えたりして、炎症や関節の破壊をくい止めることを目指した治療へと変わってきました。
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関節リウマチの関節破壊の進行

関節リウマチの関節破壊の進行

関節は骨と骨を連結する部分で、多くの関節は広い範囲で滑らかに動かせるようになっています。骨と骨が向き合う面は関節軟骨で覆われていて、滑らかに動かす働きをしています。それを助けるのが滑膜で、本来は関節包の内側を覆う薄い膜です。滑膜からは関節液が分泌されていて、関節軟骨がこすれ合うときの潤滑油になったり、軟骨へ栄養を補給したりします。

関節に炎症がおきると、滑膜が厚くなり、痛んだり腫れたりします。
滑膜細胞の増殖によって形成された肉芽(パンヌス)が、関節軟骨や骨を浸食してゆきます。
関節軟骨や骨の侵蝕がどんどん進んでいきます。
関節の破壊が進行すると、うまくかみ合わなくなって、亜脱臼を起こしたり、不安定になったりします。
さらに進行すると、関節が固まってしまって(強直)、全く動かせなくなります。

 

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関節リウマチの関節破壊の進行の実際(手関節)

関節リウマチの関節破壊の進行の実際(手関節)

関節リウマチによる手関節が壊れていく様子をレントゲン写真で経時的に並べました。

当初からいくつかの骨に虫食いのように見える骨びらんを認めます(0Mos.)。徐々に骨びらんが増加し、骨と骨の隙間もが狭くなり(関節裂隙狭小化)、関節軟骨が薄くなっていくのがわかります(6,12Mos.)。一部の関節裂隙が消失し、あたかも骨と骨がくっついてしまった(骨性強直)ように見えます。

わずか1年半の間に、ずいぶん関節の破壊が進行したことがわかります。こうして関節リウマチ患者様の関節機能が失われていきます。

参考
リウマチ手の障害:伸筋腱断裂
リウマチ手の障害:手指の変形

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どんな時に関節リウマチが疑われるの?→ 診断するために必要な諸検査

どんな時に関節リウマチが疑われるの?→ 診断するために必要な諸検査

関節リウマチの症状は、他のリウマチ性疾患(例えば変形性関節症など)の症状と似通っているために、関節リウマチかどうかを自分で判断することは簡単ではありません。

関節リウマチは、早く見つけ(早期診断)、早く治療(早期治療)を始めるほどよい経過が得られます。
早期には、痛みよりも「腫れ」と「こわばり」が目立ち、それらが「一週間以上続く」ことがポイントです。

以下に挙げる四つの症状のうち一つでもあると関節リウマチが疑われます。

1) 起きたとき関節のこわばり(朝のこわばり)15分以上みられ、そういう状態が一週間以上続く
  ☆ 朝のこわばり:起きてしばらくは関節が思うように動かないことで、早朝の家事や仕事が辛いことがあります。

2) 全身の3つ以上の関節が腫れ、その状態が一週間以上続く

3) 左右の関節が腫れ(左右対称性)一週間以上続く

4) 手指の第2・3関節手首足首足趾のつけ根の関節が腫れ、一週間以上続く

一つでも思い当たることがみられたら、近くのリウマチ専門医を受診しましょう!

関節リウマチの診断は、問診、診察、血液検査、レントゲン、関節エコーなどの画像検査などに基づいて行われます。

最近提唱された分類基準で調べる項目を示します。

1つ以上の関節の腫れがある
(触診、関節エコーなど)
・腫れまたは痛みのある関節の数(診察)
・血液検査で自己抗体の有無
(リウマトイド因子、抗CCP抗体))
・関節炎の持続期間
(6週未満/6週以上)
血液検査で炎症反応の有無
(CRP,ESR)
 

リウマトイド因子(リウマチ因子)
  ヒトのIgGというタンパク質に対する抗体で、関節リウマチの炎症に関係します。関節リウマチ患者では約80%の方がリウマトイド因子陽性となります。

抗CCP抗体(抗シトルリン化ペプチド抗体)
  関節リウマチの診断に有用性が高い検査です。陽性だと、関節リウマチである可能性が高くなります。

CRP、ESR(血沈、赤血球沈降速度)
  体に炎症が起こると増加し、炎症の程度を示します。

 

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関節リウマチと間違われやすい疾患

関節リウマチと間違われやすい疾患

 関節の痛みを伴う疾患は多く、診断に苦慮する場合がしばしばあります。
  関節の痛みか関節周囲の痛みか、1つだけの関節(単関節炎)か多くの関節(多関節炎)か、急性発症か慢性的か、移動する関節炎(遊走性関節炎)か持続性関節炎か、大関節か小関節か、変形を伴うか・・・など問診と関節所見をとりながら診断することになります。
  多関節炎をきたす疾患の代表が関節リウマチ変形性関節症です。以下に主な鑑別するポイントを表にしました。

  関節リウマチ 変形性関節症 乾癬性関節炎
後発年齢 若年~中高年 高齢者 中高年
罹患関節 すべての滑膜関節
(PIP、MCP、手関節)
荷重関節
(DIP、膝、脊椎)
手指(DIP)、足趾
脊椎、仙腸関節
関節痛 運動時 運動開始時 運動時
関節外症状 あり なし あり(皮疹)
爪変形
炎症反応 陽性 陰性 陽性
リウマトイド因子 陽性 陽性 陽性
X線所見 骨吸収像
骨びらん
均一な狭小化
骨硬化像
骨棘形成
不均一な狭小化
骨棘形成
骨びらん
pencil-in-cup変形


その他にも関節リウマチとよく似た症状をきたす疾患として、膠原病に伴う関節炎、リウマチ性多発筋痛症回帰性リウマチ繊維筋痛症などがあります。

右の図に関節リウマチと変形性指関節症の指の腫れをのせました。
関節リウマチの腫れは弾力のある腫れで、変形性指関節症の腫れは骨棘形成による骨ばった腫れです。

変形性指関節症にはDIP関節(第1関節)にヘバーデン結節、PIP関節(第2関節)にブシャール結節がみられます。

 

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関節リウマチの関節破壊の進行と治療の目標

関節リウマチの関節破壊の進行と治療の目標

関節リウマチにみられる関節破壊は、発症早期から始まり、徐々に進行することがわかってきました。関節の痛みや腫れといった炎症症状は治まってきても、関節破壊は進行します。

関節破壊の進行と痛みや腫れといった炎症症状が相まって、経年的に身体機能が悪化していくことが予想されます。

以上のことから関節リウマチの患者様を治療する上で、治療の目標として

短期的な目標
1)現在の痛みや腫れを取り除くこと(臨床的寛解

長期的な目標
2)骨・関節破壊の進行を止めること(構造的寛解
3)身体機能の損失を予防し、生活の質(QOL)を改善すること(機能的寛解

があげられます。

寛解とは、リウマチの症状・兆候が消失した状態を言います。

明確な治療目標を定めて、治療計画を立て、適切かつ積極的な治療に向かいます。
そうすることで、寛解を達成することに加えて、寛解を維持することができるようになってきました。

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関節リウマチの最近の治療 → MTXの増量、生物学的製剤

関節リウマチの最近の治療 → MTXの増量、生物学的製剤

関節リウマチというと、将来的には「寝たきり」というイメージが従来もたれてきました。しかし、最近では画期的な薬も開発され、治療も格段に進歩しました。患者様の症状、状態に応じて、多様な薬を組み合わせて治療できるという選択肢が増えました。
関節リウマチの治療の四本柱は、
  ☆基礎療法(関節リウマチをよく理解し、日常生活で工夫する。) 
  ☆薬物療法 
  ☆手術療法 
  ☆リハビリテーション  です。

中でも、治療の基本となるものは薬物治療で、
  1)抗リウマチ薬(DMARD)
  2)非ステロイド性消炎鎮痛薬
  3)副腎皮質ホルモン(ステロイド)
  4)生物学的製剤   などがあります。

右の図に各薬剤の長所・短所を示しています。抗炎症作用の強いステロイドには、骨関節破壊を防止する作用は期待できません

抗リウマチ薬の中でもアンカードラッグ(基本薬・第一選択薬)とされるメトトレキサート(リウマトレックス)の増量(16mg/週)が承認されました。
生物学的製剤は、関節リウマチの痛み・腫れや骨・軟骨などの関節破壊を引き起こす原因となる物質(サイトカイン)や作用を抑える薬剤です。
生物学的製剤の登場により、関節リウマチの治療は大きく進歩しました。現在、国内で6製剤が使用できます。

現在国内で承認されている生物学的製剤は6剤です。
抗リウマチ薬など既存治療で効果不十分な場合が適応となり、薬剤によっては関節の構造的損傷(骨・関節破壊)の防止を目的に用いられる場合もあります。

商品名 レミケード エンブレル ヒュミラ シンポニー
一般名 インフリキシマブ エタネルセプト アダリマブ ゴリムマブ
作用対象 TNFα TNFα TNFα TNFα
投与方法 点滴
4-8週毎
皮下注射
1-2/週
皮下注射
2週毎
皮下注
4週毎
併用 MTX併用必須 単独も可 単独も可 単独も可
参考HP 田辺三菱 ファイザー エーザイ
/アボット
ヤンセン
・ファーマ

商品名 アクテムラ オレンシア
一般名 トシリズマブ アバタセプト
作用対象 IL-6 CTLA4
投与方法 点滴
4週毎
点滴
4週毎
併用 単独も可 単独も可
参考HP 中外 ブリストル
・マイヤーズ
スクイブ

詳細は各製薬メーカーのホームページをご覧下さい。
 
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関節リウマチと骨粗鬆症

関節リウマチでは、その病期に応じて、あるいは治療に用いる薬剤によって骨粗鬆症を伴い、続発性骨粗鬆症といいます。

  1)関節リウマチの初期では、痛みや腫れのある関節近傍の骨密度低下がみられます。
さらに関節リウマチによる関節破壊は、発症から数年以内に進むことが明らかにされており、骨萎縮の予防には、関節リウマチの早期診断・早期治療が不可欠です。

  2)病期が進み、疼痛や機能障害のために身体を動かすことが困難となり、その結果次第に全身の骨密度が低下します(廃用性骨粗鬆症)。

  3)関節リウマチの治療薬の副作用としても骨粗鬆症が進みます。その代表例がステロイド骨粗鬆症です。

関節リウマチに続発する骨粗鬆症の評価には、原発性骨粗鬆症と同様に、骨代謝マーカー(NTx、TRACPー5b)や骨密度の測定が不可欠です。
骨吸収マーカーが高い場合は、骨密度がそれほど低くなくても、今後の骨密度の低下や骨折発生の危険性が高いことが示唆されます。

関節リウマチと診断されれば、通常の検査に加えて、定期的な骨密度検査と骨代謝マーカーの測定が必要です。

関節リウマチに続発する骨粗鬆症の薬物療法として、骨代謝改善剤のうち骨吸収抑制剤(ビスフォスフォネート製剤、SERM製剤)や骨形成促進剤(PTH製剤)が選択されます。
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